
毎月のSaaS利用料が、気づけば無視できない金額になっている。しかも使っているのは全機能のうちごく一部で、肝心なところは自社の業務に合っていない。
中小企業の経営者の方から、この相談をいただく機会が増えています。ではどこから「自社で作ったほうが得」に変わるのか。判断のしかたを整理します。
考え方は単純です。SaaSに払い続ける総額と、一度作りきる費用を比べます。
たとえば月額3万円のツールなら、5年で180万円。ここに人数増加ぶんが乗ります。SaaSは「使う人が増えるほど高くなる」設計のものが多いため、組織が伸びている会社ほど差が開いていきます。
逆に言えば、利用人数が数名で固定されていて、月額も小さいなら、既製品を使い続けるほうが合理的です。
既製品に合わせるために、現場が二重入力をしていたり、運用ルールを増やして回避していたりする。この「回避コスト」は請求書に載らないため見落とされがちですが、実際には毎日、人件費として支払われています。
解約した瞬間に過去のデータが引き出せなくなる構造かどうか。蓄積したデータを分析や需要予測に使いたいなら、ここは早めに確認しておく価値があります。
「この項目を1つ足したいだけ」が通らない。既製品である以上これは当然なのですが、事業の変化に合わせて業務のかたちが変わっていく会社にとっては、じわじわ効いてくる制約です。
正直にお伝えすると、次のような場合は既製品のままをおすすめします。
法改正対応は、自社開発だと改正のたびに費用が発生します。ここは既製品の得意分野です。
実務でよくとる形は、会計ソフトなど強い既製品はそのまま残し、自社の競争力に直結する部分だけをオーダーメイドで作ってAPI連携でつなぐやり方です。全部を作り替える必要はありません。
使わない機能ぶんの維持費を払い続けていた建築・解体業の会社では、現場で必要な機能だけを持つシステムに作り替えました(現場管理システムの事例)。
判断に迷う段階でのご相談も歓迎しています。話をうかがったうえで「今回は作らないほうがいい」とお伝えすることもあります。お問い合わせはこちらから、お気軽にどうぞ。